はじめに:高配当株投資ってなに?
「投資信託は始めてみたけど、そろそろ個別株も買ってみたい。だけど、どの株を選べばいいのか分からない…」
そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
株式投資にはさまざまな方法がありますが、高配当株投資というキーワードを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
高配当株投資とは、配当金を重視して株を保有する投資スタイルのこと。筆者もこの方法でコツコツと資産形成を続けています。
「株式投資=デイトレードのように日々の値動きを見て売買するもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
高配当株投資は、長期保有で安定した配当収入を得ることを目的とする投資法。
忙しい社会人や、毎日チャートを見られない方にもおすすめのスタイルです。
毎日株価をチェックしなくてもOKだから、忙しい人にもぴったり!
1. 高配当株の仕組みとは?
株式投資で収入を得る方法には、大きく分けて3つあります。
- 値上がり益(キャピタルゲイン):株価が購入時より上がったときの売却益
- 配当金(インカムゲイン):企業の利益の一部を株主が受け取るもの
- 株主優待:企業から商品やサービス券などの特典をもらえる
このうち、高配当株投資では「配当金」を主な収入源とする投資スタイルです。
配当金とは?
配当金とは、企業が得た利益の一部を、株主に対して現金などで還元する仕組みです。
保有している株式数に応じて、年に1回または2回など、決算時に支払われます。
配当利回りとは?
株価に対する年間の1株当たりの配当金の割合を配当利回りと呼びます。
株価に対する配当金の割合を示し、次の式で計算されます。
配当利回り(%)= 年間配当金 ÷ 株価 × 100
たとえば、1株あたり年間50円の配当金が出る株が、株価1,000円であれば、
配当利回り(%)= 50 ÷ 1000 × 100 = 5%
これが「配当利回り5%」という意味です。
配当利回りが高い株=高配当株と呼びます。
高配当株の実例|JT(日本たばこ産業)のケース
例えば、高配当株として人気な「JT(日本たばこ産業)」の配当金を見てみましょう。
- 年間配当金(2024年実績):194円
- 株価(2025年10月3日時点):4,929円
このように、JTを100株(=492,900円分)保有していれば、
年間で19,400円の配当金収入が得られることになります。
配当利回り(%)= 194 ÷ 4929 × 100 = 3.9% となり、
銀行預金の利子と比べても、はるかに高い利回りであることがわかりますね。
株を持ってるだけで、毎年配当金がもらえるんだね!
2. 高配当株のメリットとデメリット
高配当株投資には、初心者にも嬉しいメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットもあります。
ここでは、高配当株のメリットとデメリットをそれぞれわかりやすく解説します。
メリット
① 安定した収入が得られる
株を保有しているだけで、毎年配当金が入ってくるのが高配当株の大きな魅力。
しかも、銀行預金の利息よりもはるかに高い利回りを実現することも可能です。
② 株価が下がってもリターンがある
株価が大きく上がらなくても、配当金を受け取ることでトータルではプラスになる可能性があります。
暴落時でも心理的ダメージが少ないのもポイント。
③ 長期保有に向いていてストレスが少ない
日々の値動きを気にせず、「持っているだけで得られる収入」があるため、精神的にも安定します。
時間がない会社員や子育て中の方にもおすすめです。
デメリット
① 減配・無配のリスク
企業の業績が悪化すれば、配当金が減る(減配)、場合によっては出なくなる(無配)ことも。
特に景気に左右されやすい業種では注意が必要です。
② 高配当=高リスクなこともある
配当利回りが異常に高い銘柄は、株価が大きく下がっている=企業に問題があるケースも。
「高すぎる利回り」はむしろ警戒すべきサインです。
③ 税金がかかる
配当金には約20.315%の税金(所得税+住民税)が源泉徴収されます。
ただし、NISA口座を使えば非課税で受け取ることができます。
税金がかかるのは高配当株だけではありません。
株の売却益(キャピタルゲイン)や、銀行預金の利子にも同じく約20%の税金が課されるため、これは投資全般に共通する特徴とも言えます。
3. 高配当株の注意点
配当利回りだけで高配当株を選ばない
初心者の方の中には、「利回りが高ければ高いほど良い」と考える方もいます。
しかし、配当利回りが高い=お得な株とは限りません。
極端に配当利回りが高い銘柄は、業績悪化などで株価が大きく下がっている可能性があるからです。
今は利回りが高く見えても、将来的に配当が減ったり、ゼロ(無配)になったりするリスクもあります。
結果として、キャピタルゲイン(値上がり益)もインカムゲイン(配当収入)も得られなくなる恐れがあります。
少数の高配当株に集中しすぎない
高配当株投資においても、分散投資は基本です。
一部の銘柄に投資を集中させてしまうと、その企業の業績悪化によるダメージを大きく受けてしまいます。
配当がカットされたり、株価が下落すれば、全体の収益が大きく落ち込む可能性があります。
一方で、複数の企業に分散して投資しておけば、一社が悪くても他の企業でカバーできます。
投資を始めたばかりの頃は3〜5銘柄からでもOKですが、最終的には10〜20社程度に分散するのが理想です。
大きな値上がり益は期待しにくい
高配当株を多く出している企業は、すでに成熟していている企業が多い傾向にあります。
そのため、株価が数倍〜10倍になるような爆発的な成長はあまり期待できません。
高配当株投資は、安定したインカムゲイン(配当)を目的とした投資スタイルです。
大きなキャピタルゲインを狙いたい方は、グロース株投資との使い分けを検討するとよいでしょう。
4.実際に私が保有している高配当株の実例(ENEOS)
私も高配当株投資を実践しています。
ここでは、実際に保有している「ENEOSホールディングス(5020)」の投資例をご紹介します。
| 内容 | 金額 |
| 購入時の株価(2021年購入) | 431.15円(100株=43,115円) |
| 現在の株価(2025年10月5日時点) | 915.7円(100株=91,570円) |
| 含み益 | +48,455円 |
| 受け取った配当金(税引後) | +3,667円 |
| 合計リターン | +52,122円(+112.38 %) |
株価の購入タイミングが良かったこともあり、値上がり益と配当金の両方を得ることができました。
長期保有しながら安定して配当金を受け取れるのは、高配当株投資の魅力だと実感しています。
もちろん、すべての銘柄がこのようにうまくいくとは限りませんが、分散しながら地道に積み上げていくことで、着実なリターンを得ることも可能だと感じています。
株価も配当も両方プラスって理想的!だけど、分散投資も忘れずに!
5. まとめ|高配当株は初心者にもおすすめの堅実な投資法
高配当株は、「配当」という形で安定収入が得られる投資法です。
短期的な値上がりを狙うというよりも、長期保有でじっくり資産を育てたい人向け。
- 配当利回りだけで高配当株を選ばない
- 少数の高配当株に集中しすぎない
- 大きな値上がり益は期待しにくい
本記事で紹介したこれらの点を意識すれば、投資初心者でも安心して始めることができます。
まずは気になる企業を少額からチェックしてみてはいかがでしょうか?
次回予告
次回の記事では、実際の高配当株の探し方や選び方の考え方について詳しく解説する予定です。
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